「仕事」という言葉は、とある書物では「仕える事=人のためにする事」と解釈されています。なるほどと思う反面、やはり自分のため、自分の家族のため、生活のため、そういった発想が自然であるとも感じますし、活力の根本となることは確かです。
しかし敢えて一歩ひいて(一歩進んで?)、自分の仕事の社会的役割を考えることは、様々な意味で困難が多いこの「仕事」という作業に、力を注ぐ(あるいは逃げない)ための理由付けになるのではないかと考えます。 そしてどのような仕事にも、社会的役割というものが必ず存在するものだと思います。
私は現在、子供の頃からの夢であった伴侶動物医療獣医師となり、私なりに日々努力しています。
さて、私が携わる伴侶動物医療の社会的役割はどうでしょうか。人は心の豊かさを求めて動物と暮らし(動物好きな人に限ると思いますが)、ともに暮らす動物が病めば、人にも何らかの心の不利益を生じます。また人と動物の絆が社会的に福祉や医療に役立つことも次第に認識されつつあります。
したがって私の仕事は、伴侶動物の医療を通じて間接的に(結果的に)人のためになる=社会貢献となる仕事であろうと考えています。
どのような環境の方であっても、人という生き物は自らに与えられた仕事(報酬の有る無しにかかわらず)に対する何らかの重圧に耐え、日々努力されていることと思います。とかく世知辛い世の中ですが、皆様のご活躍とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
〈略歴〉 1997年、酪農学園大学獣医学科卒業、同年、獣医師国家資格取得。 勤務医を経て2001年、真駒内どうぶつ病院(札幌市)開院
2010.07.20