去る令和元年十月五日 浜西高五回卒生の同窓会が賑やかに開催されました。今回は卒後六十五周年を送り、七回目の年男を経て八十才代半ばに到達、更に新年号令和初という巡り合わせにも因み、“八十五才有志同窓会”と銘打って常時十五名前後が集まる偶数月五日の定例会より稍人々広域に呼び掛ける形をとり二十六名の出席を得る事が出来ました。
 母校の近況報告、校歌斉唱、乾盃と進み、自己紹介では夫々の現況と来し方の生き様が語られ、今よりの行く末への対応過ごし方に力強い決意が述べられました。会食に入ると流石同期の仲間、忽ち六十五年前の若者に立ち戻り、往時を懐しみ、旧交を暖めるグループが成立、アッという間に予定された時間が過ぎました。更にメインイベントともいうべき同期の古橋美几、榎吉正幸両氏のハーモニカ演奏に聞き惚れている内、中締めの時を迎えた処、当日参加者中最も遠来の元講談社社友現在書家として活躍中の山下悦男氏が態々持参した自作の書三軸(写真後掲)を披露するに及び最高潮に盛り上りを見せました。彼は現役中に旧制高校寮歌集に関わった話に迄及び、ハーモニカ演奏の余韻とも相俟って、次のカラオケタイムには早速関連した歌の幾つかが歌われ、平素はカラオケには関心の薄い方々も誰一人として中座する者もなく盛況裡に閉会を迎え、非常に充実した有意義な一日を過ごす事が出来ました。

 散会を前に、我々も八十路半ばになり、同期卒者三百七名中百参拾九名の方が鬼籍に入っている現実に鑑がみ、今回の様な広域の同期会を開くのは極めて難事となってきましたので、定例会(毎偶数月五日)を継続する中に遠隔地在住の諸兄姉が加わって頂く事で今後の同期会で進めるべく提言し、大方の諒承を得ました。皆さんの参集をお待ちしています。

令和二年五月二十二日
文責 井口計介

写真説明
右 新年号(令和)の典拠(万葉集 巻五 梅花の歌三十二巻併せて序)
中 後漢書(歴史書)の中の言葉「疾風に勁草を知る」最近では四字句(疾風勁草)として使用される例が多い。
左 石川啄木の北上川を詠んだ詩の一節