柴田宏祐さん(高12回) 私が新装なった白亜の校舎が威容を誇る浜松西高校に入学したのは終戦から十年余り経た昭和三十二年でした。片田舎の小さな中学校を卒業して浜松という都会の一画に立つ高校はあまりにもまぶしく感じました。それまでの田舎暮らしと大きく違う学校生活は一種のカルチャーショックでした。お山の大将のようで、競争相手のいなかった中学校の学習と違って、信頼できる多くの友とわき出る泉のように深い見識で教育してくださった先生方に囲まれた高校生活は学ぶことの楽しさを身に付けさせてくれました。高校生活は我が青春のかけがえのない一頁でした。
 卒業後、教員養成大学に進み、続いて就いた教職にあってもジェントルマンを標榜する進取の西高校の気風は私を支え続けてくれたようです。今回の叙勲もこうした西山台精神の延長線上に輝くともし火に他なりません。
 小・中・高・大学の同窓会で改めて叙勲のお祝いとして表彰状と記念品までいただいたのは浜松西高校だけでした。同窓会の皆様に厚く感謝申し上げます。

‘12.07.29    編集委員会