西高校長挨拶

校長 三科守県立浜松西高等学校 校長  校長 三科 守

 同窓会の皆様には、日頃より本校の教育活動に御理解と御支援を賜り、心から感謝申し上げます。

 この四月、浜松西高等学校・同中等部に着任いたしました。大正十三年の開校以来、幾多の有為ある人材を世に送り出してきた、輝かしい歴史と伝統を有する学校の長として、身の引き締まる思いです。

 着任してしばらくし、校長室の書棚に、初代校長である枩田與惣之助先生に関係する諸資料のあるのを知りました。その教育方針として「生徒ヲシテ道徳ノ本義ニ基キ又各自ノ境遇個性及志ニ應シ健實ナル學藝ヲ修得シ之ヲ活用シ之ヲ創造シ得ル強健ナル身體ト博大剛健ナル精神トヲ得シメ」ることを目的とし、「此ノ目的ヲ達セン為・・生徒ノ個性及志ト自覺自習自治ヲ重スル」ことを謳い、その理念の具体的な実践のため、校訓「知・仁・勇」に結実されることとなる知育・徳育・體育の方針を定めています。

 格調高く重厚な漢文調の邦文ですが、英語教授法の研究者でもあった枩田校長は、同時にそのすべてを明晰な英文(現在の学校教育では教えられなくなりました筆記体で)でも著しています。

 さらに校長自らが修身、漢文、英語において教鞭をとり、当時としては斬新な英会話の時間を設けるなど、国際化教育も先取りしています。

 初代校長の学校運営にかけた渾身の文章を拝読し、また、自ら教育実践に臨む姿勢を思うとき、新しい学校の創立を委ねられた人間の、並々ならぬ信念と理想、情熱と使命感が、九十年の時を超え、鮮烈に伝わってまいります。「知・仁・勇」を根幹に据えたその教えは、手探りの中で自分の未来を切り開こうと、日々溌剌として課題に取り組む、現在の生徒たちのなかにも息づいています。

 近年、組織マネジメント論が盛んです。学校経営においても、校長はまず経営計画実現のため、ヒト、モノ、予算、情報等を合理的・効率的に活用し、可能な限り教育成果をあげるべく円滑な組織運営を求められます。責任者として、そのとおりだと思います。しかし、それとともに、自らも教壇に立ち、掲げた理想の実現のため、生徒一人ひとりを薫陶した枩田校長の姿を通し、組織をマネジメントする管理職である前に、まず自らが一人の教育者として生徒を導く存在であるべきという、教育の原点を教えられ、襟を正すところです。

 本年は中高一貫十五年目となります。六年或いは三年間、それぞれに与えられた在学期間の中で、生徒一人ひとりが自らの可能性を最大限に開花できるよう、微力ではありますが、努力する所存です。今後とも温かな御支援・御協力をよろしくお願いいたします。


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